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備忘録 (1) [自分史]


 今年4月15日付で記事をアップして以降、新たな記事を掲載することなく既に半年が経過してしまった。

 その間、どうしても書けない事情があった訳ではないし、書くことがなかった訳でも全くない。

 確かに会社の仕事は前年度よりも忙しさを増していた。素材メーカーである私の会社が、将来に向けて或る大きな決断を下し、中小企業としての会社の身の丈との比較では随分と大きな設備投資を行うことになった。今年の春先はその意思決定の最中にあり、契約を締結して夏前からはそのプロジェクトが実際に動き始めたため、立場上かなりの時間を取られたのは事実である。

 もう一つには、年老いた母をこれ以上都内の実家に一人にさせている訳にいかなくなり、いわゆる老人ホームに入居してもらうためのプロセスに、真夏頃まで殆どの週末の時間を充当せざるを得ないという事情があった。これも致し方ないことだ。私と同じ年恰好なら、多くの方々にも同様の経験があることだろう。

 他方、自分の健康状態はというと、昨年の4月25日に受けた膵臓がんの手術から、早いもので一年が経過していた。昨年末に抗がん剤の服用(いわゆる化学療法)が終了してから半年が経った今年6月21日に、主治医による初回の経過観察を受診。幸いなことに「がんの転移は無し」、「特段心配な点も見られない」との所見をいただき、もちろん手術以前よりも生活態度を改めてはいるが、日常生活には特段の制約もなく、普通の生活を送っていた。手術を受けたばかりの昨年の同時期には、その「普通の生活」に戻ること自体が想像も出来なかったのだから、何と幸いなことだろう。
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 とはいうものの、病気をする以前のように物事に全力疾走をすることには、自分の中にまだためらいがあった。手術を受けた後の初回の診察の中で主治医から言われた、
「これからは十分な睡眠を取ることと、ストレスを溜めないことを約束してください。」
という言葉が、ずっと頭の中を離れずにいたのだ。虚心坦懐に振り返ってみれば、昨年の初めまでの私は、会社の仕事、我ながら目一杯取り組んでしまった自宅マンションの管理組合の仕事、そして実家対応などに追われ、無意識の内に自分の中にストレスを溜めこんでいたかもしれない。

 もちろん管理組合の理事からは昨年の手術の前に退任させてもらったが、会社の仕事が以前よりもずっと忙しくなった今、自分の生活に少しブレーキをかけるとしたら、それはブログを書くのをしばらく止めることだった。

 更にもう一つ言えば、ちょっとした事情があって友人から求められ、今年の年初からfacebookを始めたことだ。最初は勝手がよくわからなかったが、「習うより慣れろ」で始めてみると、友人たちとの間で素早く情報を共有するにはかなり手っ取り早いツールであることがわかった。もちろん写真なども掲載できるので、色々な反応が結構ビビッドに返って来る。それが結構面白くもあり、自分の身の回りのことを書き留める手段として、いつの間にかfacebookが主役に踊り出ていた。
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 そうなのだが、私は次第にfacebookの限界を感じるようにもなっていった。コミュニケーション・ツールとしては確かに手っ取り早いけれど、そこで交わされる内容はいささか底の浅いものであることが多い。「今どこで何を食べてる」的な話は私の好むところでもないし、かといってあまり長文のやり取りには馴染まないツールだ。例えば或る本を読んだり、或る絵画に出会ったりした時に、自分にはどんなことが印象に残り、どんなことを感じて、更に何をどう考えたのか、そうしたことをある程度以上のボリュームの文章にまとめるには、facebookはあまり適していないと言わざるを得ない。

 普段の生活の中には、刹那的な思いや出来事がたくさんあることは事実で、それを他人とやり取りすることは結構なのだが、還暦を過ぎた私にとっては、色々な物事に出会った時に自分が何をどう考えたのか、その記録を残しておきたいという思いの方が遥かに強い。そうしておかないと記憶はどんどん薄れてしまうからだ。

 そんなことから、自分としてはやはりfacebookとブログを使い分け、自分史的に書き留めておきたいことを取捨選択して、やはりブログと向き合って行かねばならないと思うようになった。

 まずはこの6ヶ月のブランクを埋めることから始めねばならない。それこそfacebook的に、貼り付けた写真にちょっとしたコメントを加えるだけになってしまうだろうが、次回の記事でその6ヶ月の埋め合わせをすることにしたい。
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