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家内の誕生日 [自分史]


 9月22日、土曜日。東京では未明に結構強い雨が降った。

 「9月23日ごろ」とされる秋分の日。太陽が秋分点を通過する日なのだが、今年それが22日になったのは、実に116年ぶりのことだそうである。天文計算によれば、来年以降2044年までは閏年が22日、それ以外の年は23日になるという。また、ごく稀に24日になる年もあるそうだが、それは21世紀中には起こらないという。天文学というのは、ずいぶんと先々のことまでよくぞ計算できるものである。

 気象庁の統計によると、9月23日の気温の平年値は、一日の最高気温が25.5度、最低気温が19.5度、平均気温が22.3度となっている。今の時点での「平年」は1981~2010年の30年間の平均だが、これだけの数のサンプルから平均値をとれば明確な規則性が割り出され、気温は毎日0.2~0.3度ずつ下がっている。「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるが、夏が過ぎて一日の気温がこれぐらいのレベルまで下がると、私たちは快適さを感じるようになるのだろうか。

 そして、例年になく残暑が厳しいと言われた今年の9月も、この秋分の日の22日になってようやく最高気温が平年値を下回ることになった。日本列島も北の涼しい空気に支配され始めたようだ。最低気温の方はまだ高めだが、ともかくもこれでようやく秋の到来ということになるのだろう。そういえば、夕暮れがだいぶ早くなった。
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 敬老の日の三連休が明けて、今週は四営業日だけだったが、私にとっては何やら忙しい週になってしまった。日本と欧州を繋いで進める必要のある仕事が突発的に出てきたためで、日付がかわる頃まで会社にいる日が続いた。金曜日にはそれがようやく21時過ぎに終わり、出席出来ないと思っていた「ミニ・クラス会」に辛うじて顔を出す。ちょっとシリアスな病気をしたという同級生に、どうしても会っておきたかったからだった。結局、この日も帰りは24時を過ぎていた。

 明けた土曜日。さすがに少しばかり朝寝坊をしたが、それからは家族それぞれのスケジュール。私も身の回りの整理などをしながら雨が上がるのを待ち、路面が乾いてから外を10km少々走りに出かけたりしていた。昼間でも大汗をかくことがなくなり、外で体を動かすには、これからがいい季節になる。

 そして夕刻。一家四人が再び顔を揃えると、簡単に身支度を整えて、いざ出発。神楽坂の一角にある居酒屋へと向かった。9月22日は家内の誕生日である。それも今回は土曜日だから、家族の間でスケジュールを合わせ、夜は食事に出ることに決めていた。

 もしも我家の年代記を書くならば、記載すべきことが色々あった今年。息子が司法試験に合格し、娘も就職が内定。昨年から着物の着付を習い始めた家内は、今年になって新たなステップに進んでいる。そして、それらの一つ一つの背後には家族の間での支えがあった。だから今夜は、家内の誕生日を祝いつつ、家族それぞれにとっての「ご苦労さま!」的な意味合いも兼ねていた。(相変わらず会社勤めだけの生活をしている私が、家族の中では一番代わり映えしていないかもしれない。)
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 それにしても、こういう時に場所がフレンチやイタリアンのレストランにならず、居酒屋のワイワイ・ガヤガヤ路線を選ぶことになるのが我家なのである。かつて香港に赴任していた時期にアジア各国を訪れたことが今も刷り込まれているのか、肩肘の張らない雰囲気と、色々な食べ物をランダムに頼むゴチャゴチャ感、そして一つ一つの食べ物の美味しさ。そんなアジア的なテイストが四人とも好きなのだ。

 まあそれでもせっかくのバースデー・ディナーなのだから、食べ物の美味しい居酒屋を選び、和食をベースにした様々な料理を楽しみながら、ワインを開けた。よく食べ、よく喋り、そして大いに笑った。あっという間の二時間だった。
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 店を出た帰りは、神楽坂の商店街を四人でぶらぶらと歩く。以前長く務めた会社でこの近くの社宅に丸10年も暮らしたことがあり、子供たちは二人ともそこで生まれ育ったから、ある意味では我家の故郷のような街だ。昔に比べれば、メインストリートに面したお店もずいぶんと変わってしまったが、それでも神楽坂は独特の雰囲気を残した、東京の中でも面白い街である。今夜一家でここへやって来たのは、やはり何か導かれるものがあったのだろうか。子供たちの手を引いて歩いたその当時は、彼らの成人後の姿などは想像もつかなかったことであるが。

 一夜が明けた日曜日。私は昼間の新幹線に乗って仙台へ出張している。これもまた先週の続きのような仕事で、欧州からやって来る技師を仙台空港に出迎え、ホテルまで同行。明日から工場で一緒に仕事をしてもらうので、ひとまず今夜は食事を共にする予定だ。ホテルの窓の外に広がる仙台の街並みは雨に煙り、そして日暮の中に色を失おうとしている。

 前夜に家族と共に楽しく過ごした、そのことをエネルギーに換えて、今週もまた一つ、頑張ってみよう。
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