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今日も手早く - 陣馬山・景信山 [山歩き]

 このところ、週末の天気の巡り合わせが良くない。「文化の日」の三連休も、晴の特異日なのだから一日ぐらいはきれいな秋晴れが期待できそうなのに、気圧の谷がやって来るという。11月4日(月)の振替休日に予定していた山仲間たちとの山行も、延期にせざるを得なくなった。

 それでも、この三連休の天気予報を眺めると、土曜日の午前中だけは何とか青空が拝めそうだ。富士山をはじめ、冠雪した遠くの山々の眺めまでは期待できないとしても、近隣の紅葉の下見ぐらいは出来るかもしれない。独りで歩いて来ようか。金曜の夜になってから、そんなことを考え始めた。

 土曜日の朝、夜明けの頃に目が覚める。11月2日というと、日の出は06:04だから、ずいぶんと遅くなったものだ。日帰りの山歩きに出かける時、いつもは5時頃には起き出して6時前に家を出ることが多いのだが、今日はもっとゆっくりできる。家内も同時に起きて来たので、二人で朝食だ。プレーン・ヨーグルト、ピザ・トーストにコーヒー。デザートには甘い柿。これから山へ出かけるのに、普段の朝と同じような食事を家内と楽しめるのは、何だか不思議な気分だ。

 07:15に自宅を出発。電車で新宿に出て、07:52発の中央特快で高尾へ。そこで接続している小淵沢行きの普通列車に乗ると、二つ目の藤野に着くのが09:02だ。その10分後に駅前から出るバスがあって、09:17に陣馬登山口に到着。三連休の初日だからバスも臨時に一台が追加されていて、両方のバスからは私も含めて二十人以上の登山客が降りた。

09:20 陣馬登山口 → (一の尾根) → 10:35 陣馬山

 いつものように、陣馬山の一の尾根を登るコースを歩く。民家の庭の柿の木が多くの実をつけていて、いかにもこの季節だ。今年は全国的に柿の当たり年のようで、街のスーパーなどでも早くから多くの柿が例年より安価に出回っている。サル年生まれのせいか、柿が好きな私には嬉しい限りだ。
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 舗装道が終わって山道が始まる所で、これもいつものように、今日これから歩く山の稜線が東方向に連なっている。北方になる左手は青空だが、右手の南の空には低い雲が盛んに湧いている。だから、丹沢や道志方面の山並みは何も見えない。
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 そこからは樹林の中の山道で展望はない。せっせと登り続け、6~7パーティーを追い抜く。このところ運動不足が続いていたので、以前にここへ来た時よりも、少しペースが遅いかもしれない。

 このコースは、基本的には植林の中を上っていくのだが、落葉樹の林が混じる所もあり、そこを通過する時は、あちこちの落葉樹からカサコソと音がする。風もないのに、ドングリが盛んに落ちてくるのだ。このあたりの低山では紅葉もまだだが、それでも秋は確実に深まっている。

 山道の傾斜が急になり、木製の階段が始まると、山頂の直下だ。登山口から1時間15分で陣馬山に到着。標高855mのこのあたりでは、鮮やかな紅葉を見せ始めた木々もあった。相変わらず南の方は雲の中で、名物の富士の眺めも今日は全くないが、西隣の生藤山(990m)から続く尾根が秋らしい装いを見せている。
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 奥多摩方面も辛うじて青空が残り、大岳山の方向にはいくつもの山々が重なり合っている。この時間だからまだ眺められるが、これから天気は下り坂だから、間もなく展望もなくなることだろう。
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10:45 陣馬山 → 11:05 明王峠 → 12:00 景信山

 陣馬山から東方向へ続く尾根を歩き始める。明王峠までは基本的には下り道だ。反対方向から走って来るトレイル・ランナーたちと何度も行き交う。そういえば、今朝の登山口に看板が出ていて、一週間後の11月10日(日)に「陣馬山トレイルレース」が行われるそうだ。今日のランナーたちの中には、来週の大会のための調整に来た人々も多いのではないだろうか。

 20分ほどで明王峠を通過。サクラの紅葉はまだだが、一本のカエデの木が黄色に染まっていた。
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 そこからは比較的平坦な尾根沿いの道。いつものように早足で歩く。とりとめもない樹林の中のトラバース道だが、「山の中に来ている」という感触が好きで、私はこのコースを好んで歩く。体にもエンジンがかかってきたようで、明王峠から1時間足らずで景信山に着いた。

 標高727mの景信山の山頂は、普段通りの賑わいだ。東側に開けた東京方面の広大な眺めも、今日はだいぶ霞んでいる。だが、茶店の周辺のサクラやカエデの紅葉がちょうど始まり出したところで、その姿に出会えただけでも、ここまでやって来た甲斐があった。
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 茶店で名物の「なめこ汁」を買い求め、持ってきた握り飯で簡単な昼食。軽い風があるたびに、頭の上からケヤキの葉が頻りに散る。今年の十月はいつまでも気温が高く、台風が何度もやって来たので、都会ではあまり秋を感じることなく過ごしてきたが、山の中の自然は、本来のカレンダーに追いつこうとしているのだろう。

 朝のうちは青かった北の空も、気がつけば既に雲に覆われていた。

 山を下りる。一本調子の下りが続く山道。中央自動車道を真下に眺めながら舗装道路に出るまで、ちょうど30分。そして小仏のバス停までが更に10分。13:10発のバスに乗り、高尾で13:33発の中央特快に乗れたので、新宿には14:30に着いた。それから帰宅すれば、土曜の午後はまだ時間がある。だが、都心ではもう小雨が降り始めていた。

 陣馬登山口から小仏バス停まで、私の足で3時間半の山歩き。朝、普段の通勤よりも遅い時刻に家を出て、15時過ぎには帰って来られる。手早く山を楽しめて気分転換を図れる、私にとっては貴重なコースだ。低山ながら四季の移ろいがあり、天気が良ければ遠い山々を眺めることもできる。

 木々の葉がすっかり落ちた頃に、また独りで歩いてみようか。

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