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秋から冬へ - 三頭山~奥多摩湖 [山歩き]

 私たちの週末日帰り山行では、東京駅を朝の6時半に出る中央特快(列車番号:643T)に乗ることが多い。

 週末の朝二番目に出る特別快速で、新宿駅の発着は06:44だ。そして、その先の国分寺や立川で接続する青梅線・五日市線の電車に乗ると、それぞれ終着駅で山へ行くバスが待っている。更に高尾では河口湖行き普通列車と接続。途中の上野原では、この列車の到着に合わせて、色々な方面の山へ行くバスが駅前を一斉に出て行く。
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 11月9日の土曜日。私たちの今回の山行も、この643Tで出発だ。始発の東京駅から1人、新宿でT君と私が乗り、三鷹で1人、国分寺で1人。立川で五日市線に乗り換えると、拝島でH君夫妻が乗車。そして終点の武蔵五日市駅に到着すると、駅前のバス乗り場にT先輩の姿があり、これで今日のメンバー9人が無事に揃った。

 このところ、きれいな秋空が広がるのは平日ばかりで、今回も明日の日曜日は雨の予報だ。土曜日の今日はゆっくりと下り坂だが、雨が降ることはないので、紅葉見物などへ出かけるなら今日のうちに、と天気予報が盛んに伝えている。そのせいもあってか、武蔵五日市駅前のバス停は、08:22発の都民の森行きに乗る登山者で、見たこともないほど長蛇の列。結局3台の増便が出て、計4台のバスが列をなして檜原街道を西走することになった。

 09:30に、標高1,000mの都民の森バス停に到着。あたりは既に紅葉の只中だ。身支度を整えた私たちは道路を少し下り、三頭沢を左に見ながら登っていく「けやきの路」に入る。
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09:43 「けやきの路入口」 → 10:02 滝見橋 → 10:58 ムシカリ峠 → 11:15 三頭山西峰

 ここは以前にも歩いたことのある道だ。10分ほども緩やかに登ると、よく整備された「大滝の路」と合流し、更に5分ほどで三頭ノ大滝を眺める滝見橋に出る。滝そのものは秋で水量が少ないような気がしたが、紅葉に彩られた落差33mの滝の眺めは格別である。
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 山道に戻ると、その滝見橋を沢の上流側から見下ろすことができる。彼方には紅葉した浅間尾根の穏やかな山並みが続いている。奥多摩らしい秋になった。
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 ネットの「ウェザーニュース」の「天気予報チャンネル」では、今朝の奥多摩のスポット予報は「晴時々曇」だったのだが、「晴」が雲量7までを含むことを考えても、今日は完璧な曇だ。青空の時ほど紅葉が鮮やかに見えないのが少し残念だが、それでも赤や黄に染まった森を眺めながら山の中に入っていくのは気分がいい。何度か沢を渡り、山道の分岐を過ぎた所で一度小休止。登っていくにつれて木々の紅葉は少なくなり、すっかり葉が落ちて山は冬の始まりのようになっていく。
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 歩き始めてから1時間15分で、ムシカリ峠に到着。そこから上はガスに覆われていて、さすがに気温が低い。
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 そして、ムシカリ峠から15分ほどで三頭山の西峰に到着。晴れていれば富士山の眺めもあるピークなのだが、今日はガスの中だ。それでも山頂は大変な賑わい。座る場所を何とか確保して、私たちは40分の昼食休憩。コンロで湯を沸かしてコーヒーを入れる。そろそろ山の上では暖かいものがありがたい季節になった。
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12:00 三頭山西峰 → 12:26 鶴峠分岐 → 13:05 ヌカザス山

 気温は相応に低いが、幸いにして風はない。三頭山西峰の山頂でエネルギーを補給した私たちは、山頂を一旦東側に降りた後、御堂峠を北へ、奥多摩湖方面に下っていく山道を選ぶ。それまでは大変な賑わいだったのに、まるでローカル線に乗り換えたように、ここからの山道では登山者の数がぐっと少なくなった。そして、山道に積もった落葉が深い。
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 下り始めは標高1,500m近辺だから、山の様子は殆ど冬に近いのだが、下るにつれてあたりは秋の装いを取戻し、鮮やかな紅葉が私たちの目を楽しませてくれる。
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 そして、谷を隔てた向こうの尾根も印象派の点画のように赤や黄に染まっているが、それは手前の雑木林を通してしか見えない。あたりの錦秋を一望のもとに見渡せる場所はないのだが、それが奥多摩らしさなのかもしれない。
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 下り始めてから30分弱で鶴峠分岐に着き、更に10分ほどで入小沢ノ峰(1302m)を通過。そこからは下り道の傾斜がきつくなった。「オツネノ泣坂」と呼ばれる場所で、ロープが張られた急斜面だ。途中でここを登っていくパーティーと何度かすれ違ったが、我々と逆コースは大変だろう。急な下りがなおも続き、私たちは足元にばかり気を取られていて余裕がないが、実はこのあたりの紅葉が今回は一番見事だった。
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 三頭山西峰から1時間ほどで着いたヌカザス山(1175m)は、標識がなければどこがピークかわからないような、森の中の静かな山だ。そこで小休止を取る間、大きなドングリを私たちは幾つも拾った。

13:15 ヌカザス山 → 14:06 イヨ山 → 15:02 麦山の浮橋 南詰 → 15:15 馬頭館鶴の湯温泉

 なおも山を下る。今日は下りの長いルートであることは初めから承知していたのだが、木々の間から下界の奥多摩湖が見え始めてからも、それはなかなか近づかない。ヌカザス山から50分でイヨ山(979m)を通過。奥多摩湖畔は標高500mほどだから、ここからもまだ標高差500m近くを下らなければならない。それにしても、イヨ山はひっそりとしていて、実に奥多摩らしい山である。
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 左手に青梅街道の深山橋が見えて来る。そこからも案外とまだ長く、更に40分ほどでようやく奥多摩周遊道路に出た。
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 そして、15時過ぎに奥多摩湖の「麦山の浮橋」の南詰に到着。湖面に浮かぶ橋をのんびりと渡りながら、360度の紅葉を楽しむ。ここは一度来てみたかったのだが、いい季節に訪れることができた。
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 秋の奥多摩も、考えてみればずいぶんと久しぶりだが、三頭山からの長い下りを歩き終えて、この山域の懐の深さを実感できたように思う。明日の日曜日は雨の予報。そして週明けには寒気の到来でぐっと冬が近づくようだが、山はどんな装いになるのだろうか。
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 馬頭館という温泉旅館で日帰り入浴を済ませた後、奥多摩駅へと向かうバスに揺られながら、次の山のことを、私は早くも考え始めていた。
 
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