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華麗なる「転進」 - 高川山 [山歩き]


 1月30日(金)、全国のかなり広い地域でこの日は朝から雪になった。

 まだ1月なのに、この冬は西高東低の気圧配置が長続きせず、週に一度は気圧の谷がやって来る。東京では30日の未明から雪になり、会社に着いた後からは本格的に降り始めた。それは、正午には雨に変わったので、結果的に都市部では殆ど積雪にならなかったのだが、山の方はそれなりに雪が降り続いたのではないだろうか。
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 この日の午後から、私は山仲間のT君とメールをやり取りしていた。二日後の日曜日に総勢9人で奥多摩の笹尾根を歩く予定にしていたので、それを予定通り挙行するかどうかの判断に関することだった。

 インターネットで情報を集めてみると、山梨県東部地方では、今月はそもそも15日(木)にまとまった降雪があったようだ。26日の時点で、標高1,000m前後の山の頂上には20cmほどの積雪があるという。そして更に27日と30日が雪になった訳だ。笹尾根も同様に標高1,000m前後の地形が続く。南向きの箇所が多いから雪解けも早いのだろうが、この分だと主稜線は雪を踏みながら歩くことになるのではないか。

 何よりも、笹尾根の登山ルートは登りの標高差が累計で1,000m以上もあり、そこに雪が残っていると余計な体力を使うことになるだろう。それは、今回のメンバーにはちょっと厳しいかもしれない。ならば、大雪の場合に備えて考えておいた代替プランを発動すべきではなかろうか・・・。

 メールを交わしているうちに、T君と私の意見はそういう方向へと収束していった。代替プランは、JR中央本線の初狩駅から歩いて登山口に向かう高川山(976m)のコースだ。山の北斜面を登るから積雪は多いはずだが、駅から山頂まで上りはCT:1時間50分、下りが1時間30分という距離の短いコースだから、ゆっくり歩いてもいつかは山頂に立てる。70歳代の先輩方にもご参加いただいている今回は、この高川山へと「転進」を図った方がいいだろう。この金曜日の夜に、私はその旨のメールを参加予定者全員に送ることにした。
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 2月1日(日)、朝8時44分に高尾を出る普通列車に集合。日の当たらない土地に若干の雪が残る景色の中を、電車は西へと走る。そして、9時32分に初狩駅に到着すると、高川山を目指す登山者たちが他にもぞろぞろと降りてきた。雪が降った後の山を楽しむには、やはりここは手軽なコースなのだ。そう言えば、昨年の「バレンタイン豪雪」の一週間後にも、私たちはこの高川山で深い雪を楽しんだことがあった。

09:41 初狩駅 → 10:05 登山道入口
 初狩駅に着いた私たちB組の4人は、靴底に滑り止めを付けて登山道入口を目指す。中央本線のガードをくぐり、民家の間の道を道標に従って南方向へ。昨年の大雪の時はこれらの道標が雪に埋もれてしまっていて、私たちはこのあたりから早くも道を間違えてしまったのだが、今回はその教訓が残っているし、雪も少ないから心配はない。30分足らずで植林の中の登山道入口に付いた。
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10:11 登山道入口 → (女坂コース) → 11:01 男坂・女坂合流点 → 11:20 高川山
 今朝は、70歳代の先輩方を含むA組の5人が、我々より一本早い電車で、つまり40分早く初狩に来て、この同じコースに入っている。歩くスピードがB組とは違うから、ということなのだが、後を行く私たちとしても先輩方を山の中であまりお待たせする訳にもいかないから、ついせっせと歩くことになる。結局、高川山登山道の男坂と女坂が分かれる分岐点の手前で、私たちはA組に追い付いてしまった。山道にはそれなりの積雪があったので、この地点で我々はアイゼンを着用することにした。
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 女坂に入った後は、B組が先に行かせていただくことになり、私たちは自分のペースで登る。女坂は日当たりの良い箇所があって道の雪は消え、山道がUターンするようにして北西方向へと登っていくと、やがて左手に富士山が頭を見せ始めた。雪煙は上がっているが、雲は全く湧いていない。この分なら、今日はこんな風にスッキリとした富士の高嶺を一日中眺めていられそうだ。
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 登山道に入ってから凡そ50分。男坂と女坂が再び合流する地点に到着すると、そこから先は雪が多くなった。高川山の山頂までの残り20分ほどは傾斜も緩く、雪を踏みながらの山歩きを楽しめる箇所だ。
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 そして、頭の上の空がひときわ明るくなると、高川山の山頂の西側にポンと出る。そこでは、大きな大きな富士山が私たちを待っていてくれた。
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 山頂から北西の方向を眺めると、笹子峠の向こうに南アルプス・間ノ岳の姿が。そして北方向には小金沢連嶺のハマイバ丸や黒岳、そして雁ヶ腹摺山が大きく迫る。高川山に来たのはこれで5回目ぐらいではないかと思うのだが、これほどまでに雲一つない富士山をここから眺めたのは、今回が初めてである。
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(南アルプス・間ノ岳)

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(ハマイバ丸(左)と黒岳(右))

 私たちが山頂を踏んでから20分ほどでA組も順次到着。既に湯を沸かし始めていた私たちは、それから鍋焼き(風)うどんを作り、熱々のところを先輩方と共に頬張った。幸いにして思ったほどの風もなく、日差しの暖かい山頂で私たちはのんびりと昼食を楽しむことが出来た。
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(後方は笹子の山々)

12:40 高川山 → 13:30 登山道入口 → 14:05 初狩駅

 山を下りる。来た道とは反対方向の都留市側へと下りる手もなくはなかったのだが、今日のメンバーのことを考えれば、状況がわかっている道を引き返した方が無難だろう。

 下りではあまり差がつかないから、A組とB組は一緒に行動。山道の分岐点では男坂を下ることにした。西側へ迂回していく女坂よりも、ぐんぐんと下って行く男坂の方が距離も短くて手っ取り早い。誰かが大きく遅れるということもなく、私たちは山頂から50分ほどで林道の出合に着いた。後は初狩駅まで30分足らずの舗装道歩きだ。
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 駅に着いたら、ちょうど3分後に上りの高尾行がやって来るという。それに乗って高尾で電車を乗り換えれば新宿には16時頃に着いてしまう。いつもの居酒屋での「反省会」も、今日はだいぶ早いスタートになりそうだ。

 ところで、今朝女坂の登りですれ違った登山者から教わったのだが、初狩駅の駅裏に日帰り入浴が出来る『八幡荘』という民宿があるそうだ。入浴料1,000円で、湯上りにおでんを出してくれるという。ネットで調べてみると、下山後に利用した登山者たちが案外いることがわかった。洗い場が小さいので大人数での利用には向かないようだが、いつか機会があったらトライしてみようか。
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コメント 1

北京現人

今回も種々、企画いただきありがとうございました。
お陰さまで今年の初参加を新宿までご一緒させていただくことができました。
この会では文中にもありましたが何回か、高川山に行きましたが
富士山はもちろん、南アまで見えたことは無かったので
短時間の山行ではありましたが手ごたえ十分な山登りが楽しめました。
それと、やはり冬の山頂では暖かい食べ物が最高ですね。
また次回の企画を楽しみにしています。
by 北京現人 (2015-02-09 21:32) 

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